空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
連載一覧はこちら>>
火災雲(かさいうん)
夏休みには、少し足を延ばして旅する方もいらっしゃるかと思います。旅行の醍醐味といえば、旅先ならではの景色を見ることではないでしょうか。雲にも、ある特定の場所でしか見られないものがあります。
その特別な雲の一つが、「火災雲(かさいうん)」です。火山噴火や森林火災など熱源の上空に局所的に現れる雲です。活火山の火口付近にも発生することがあり、火口からの熱で上昇気流が発生して、噴煙に含まれる微粒子と水蒸気が結びついて凝結し、火山ならではの雲を作り出します。日本では鹿児島県の桜島や霧島山、熊本県の阿蘇山、北海道の雌阿寒岳(めあかんだけ)などの活火山で、火災雲の姿を見られる可能性があります。
特に桜島は市街地からも山が見えるため、街歩きの途中で火災雲に出合えるかもしれません。ただし、火山の噴火が起こっているときは危険なので、自治体や気象台からの情報に留意し、火山には近づかないようにしてください。
写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
X・
Instagram・
YouTube文/津田 紗矢佳 Sayaka Tsuda気象翻訳者・気象予報士・防災士。天気や防災をわかりやすく伝える“気象の翻訳者”として活動中。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」など出演。絵本『大あらしだ!ハリケーンがやってくる』(福音館書店)の翻訳を担当。
X・
Instagram●参考文献/気象庁『火山登山者向けの情報ページ(全国)』URL: https://www.data.jma.go.jp/vois/data/report/activity_info/index.html、『雲の超図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、『雲を愛する技術』荒木健太郎著(光文社)、International Cloud Atlas『Flammagenitus』URL: https://cloudatlas.wmo.int/en/flammagenitus.html