空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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「高い」最低気温の理由
夕方から翌朝までの最低気温が25℃を下回らない夜のことを「熱帯夜」といいます。一方、つい最近では最低気温が30℃を下回らないことも起こっています。
日本海に面した新潟県糸魚川市で観測された気温を見てみましょう。2023年8月10日の夜から翌11日の朝にかけて、糸魚川市で最も気温が下がったときの数字は31.4℃でした。観測された時刻は、10日の24時ちょうど。この記録は、日本の観測史上最も「高い」最低気温となっています。なぜ真夜中にもかかわらずこれほど気温が高くなったのでしょうか。
その謎を解くカギは台風です。当時、朝鮮半島付近を台風6号が進んでおり、本州付近では南風が吹いていました。糸魚川市でも一日中南よりの風が吹き続けており、さらに南風が山を越えるときに、乾いた熱い風となって吹き降りる「フェーン現象」が発生していたのです。このため、一日中気温が下がりにくく、最低気温31.4℃という観測史上最も高い最低気温を記録したのです。
「高い」最低気温が観測される背景には、地球全体の気温が高くなる地球温暖化もあげられます。近い将来、フェーン現象が起これば、31.4℃より高い最低気温が出てきてしまうかもしれません。暑い季節に天気予報を見るときは、最高気温だけでなく、最低気温にも注目し、夜間も冷房をつけたままにして安全に就寝するようにしましょう。
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写真/津田紗矢佳
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/津田 紗矢佳 Sayaka Tsuda気象翻訳者・気象予報士・防災士。天気や防災をわかりやすく伝える“気象の翻訳者”として活動中。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」などに出演。絵本『大あらしだ!ハリケーンがやってくる』(福音館書店)の翻訳を担当。
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Instagram●参考文献/気象庁『糸魚川(新潟県)2023年8月(日ごとの値)』URL:https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/daily_a1.php?prec_no=54&block_no=0539&year=2023&month=08&day=10&view=a2、気象庁『歴代全国ランキング』URL:https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/rankall.php?prec_no=&block_no=&year=&month=&day=&view=