空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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夏の雨の正体
8月に入りました。暦は大暑(たいしょ)で、夏の暑さがもっとも極まるころとされています。また、晴れていたのに突然雨が降ってくることも多いのが、夏の天気の特徴でもあります。そんな夏でも、高い空には雪と氷の世界が広がっているのです。
実は、日本の夏に降る雨のほとんどは雪や氷が融けたものです。突然の激しい雷雨をもたらす
積乱雲は背の高い雲で、雲頂は高度15キロメートルを超えることもあります。高い空では、真夏でも高度5キロメートルほどで0℃程度、高度10キロメートルほどになるとマイナス40℃程度になります。積乱雲の中では、上昇気流で雲の粒(小さな水の粒)が高い空に昇り、氷の結晶になります。この氷の結晶が水蒸気を吸い込んで大きく成長すると重くなり、上昇気流では支えきれなくなって、雪や氷として落下を始めます。地上に近づくほど気温が高くなるため、雪や氷は落下途中で融けて水になり、地上には雨として降ってくるのです。冬の場合は地上も気温が低いため、雪や氷のまま降ってきます。
真夏でも、空から降ってくる雨は十数分から数十分前まで雪や氷だったものです。雨の日に空を見上げてみると、目線のはるか先には極寒の世界が広がっています。そう思うと、少し暑さが和らぐような気がしませんか。
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写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/津田 紗矢佳 Sayaka Tsuda気象翻訳者・気象予報士・防災士。天気や防災をわかりやすく伝える“気象の翻訳者”として活動中。テレビ朝日「スーパーJチャンネル」などに出演。絵本『大あらしだ!ハリケーンがやってくる』(福音館書店)の翻訳を担当。
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Instagram●参考文献/はれるんライブラリー『雨の落ちるスピードは?』URL:https://www.jma.go.jp/jma/kids/kids/faq/a1_15.html、『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、国立天文台『二十四節気』URL:https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/faq/24sekki.html