カルチャー&ホビー

海辺に訪れる穏やかな時間。風が弱まる「凪」の仕組み

2026.07.17

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空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。 連載一覧はこちら>>

凪(なぎ)

晴れた日に海辺で過ごしていると、日中に海から吹いていた風が、夕方に少し弱まるのを感じることがあるかもしれません。このように、ほとんど風が吹いていない状態のことを「凪(なぎ)」と言います。

凪が生まれるのは「風の向きの入れ替わり」が関係しています。陸と海を比較すると、陸の方が温まりやすく、冷えやすい性質があります。そのため、晴れた日の日中は、太陽の光で陸の方が高温になります。すると、陸の空気が軽くなって気圧が下がり、海から陸に向かって海風(うみかぜ)が吹きます。逆に夜間は、日が沈んで冷えた陸から、相対的に気温の高い海に向かって陸風(りくかぜ)が吹きます。

朝と夕方は、海と陸の温度差が小さくなり、海風と陸風が交代して風向きが変わります。このタイミングで風が一時的に弱まることで、凪になるのです。朝の凪は朝凪、夕方の凪は夕凪と呼ばれています。


風の音が静まる中で色づく朝焼けや夕焼けは、どこか心を落ち着かせてくれるかもしれません。海辺を訪れた際は、風が入れ替わる穏やかな時間に身を委ね、ゆったりと空や海を眺めてみてはいかがでしょうか。

写真/荒木健太郎

写真/荒木健太郎


監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。XInstagramYouTube

文/三上 萌々 Momo Mikami
気象予報士・防災士。テレビ高知アナウンサーを経て、現在はフリーアナウンサーとして「TBSNEWS」のニュースキャスターなどを務める。防災・減災のため執筆や講演等に取り組み、全国のJリーグクラブを巡り、サッカーと気候変動について啓発活動を行う。Instagram

●参考文献/まっぷる『海陸風から知る広島の無風の時間「瀬戸の夕凪」とは?』URL:https://articles.mapple.net/bk/12109/、『雲を愛する技術』荒木健太郎著(光文社)、気象庁『はれるんランド』URL:https://www.jma.go.jp/jma/kids/kids/faq/a3_32.html

監修/荒木健太郎 文/三上萌々 協力/太田絢子、佐々木恭子、鈴木幸花、津田紗矢佳

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