みつまめをギリシャの神は知らざりき
橋本夢道
選・文=夏井いつき(俳人・エッセイスト)銀座のしるこ屋「月ヶ瀬」で餡蜜を考案し売り出したのは、作者本人とも伝わる。キャッチコピーとしても使われた句だが、文学作品としても十二分に楽しめる。
甘い蜜豆が生まれたのは極東の小さな国。さすがのギリシャの神々もこの味を知らなかった、と言い切られると、どんなものなのか食べてみたくなるではないか。
世界には様々な神が存在するが、「ギリシャ」がやはり絶妙。恋をし嫉妬し怒り戦う人間味溢れるギリシャの神々ならば、「みつまめ」の甘さに声をあげて感激してくれるに違いない。
●橋本夢道 俳人(1903~74)。荻原井泉水(せいせんすい)に師事。俳句の表記は『橋本夢道物語 妻よおまえはなぜこんなに可愛いんだろうね』(殿岡駿星著 勝どき書房/2010年)に準じた。
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