空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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蝦夷梅雨
梅雨前線は通常、沖縄から本州にかけて停滞しながら北上し、北海道付近で消滅するか活動が不活発になります。そのため、気象庁は北海道だけ梅雨入り・梅雨明けの発表をしていません。ただ、実は北海道にも、夏を迎える前に「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」と呼ばれる期間があります。
蝦夷梅雨の期間には、道南や北海道の太平洋側を中心に、曇りや雨の日が増えることがあります。北海道付近の太平洋は、水温の低い千島海流に暖かい南寄りの風が吹くと霧が出やすくなるのです。
蝦夷梅雨は、気温が低く、本州や沖縄の梅雨のような蒸し暑さを伴わない傾向にあり、弱いしとしと雨が降り続くことが多いです。ただし、これまで蝦夷梅雨といわれていた天候とは異なり、本州などに大雨をもたらしていた梅雨前線が北上し、大雨となることがあります。2018年には北海道付近に前線が停滞したことなどで記録的な大雨となり、水害や土砂災害が発生しました。
梅雨情報の対象外となっている北海道でも、最新の天気予報をチェックし、服装選びや雨具の準備、霧による視界不良などに気をつけましょう。
写真/NASA
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/三上 萌々 Momo Mikami気象予報士・防災士。テレビ高知アナウンサーを経て、現在はフリーアナウンサーとして「TBSNEWS」のニュースキャスターなどを務める。防災・減災のため執筆や講演等に取り組み、全国のJリーグクラブを巡り、サッカーと気候変動について啓発活動を行う。
Instagram●参考文献/日本気象学会 北海道支部機関誌「細氷」65号『夏季の北海道における多湿環境の地球温暖化応答』高畠大地・稲津將 URL:https://hokkaido.metsoc.jp/saihyo/pdf/saihyo65/65_takahata.pdf、気象庁『《顕著な天候事例》停滞前線による大雨(2018年7月)』URL:https://www.data.jma.go.jp/cpd/j_climate/hokkaido/kencho_summer2018.html、朝日新聞デジタル『北海道に梅雨ってあるの?』URL:http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20180604011190001.html