空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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天気雨
晴れ間があるのに雨が降ってくる「天気雨」は、古くから「狐の嫁入り」などとも呼ばれてきました。なぜ、晴れた空から雨粒が落ちてくるのでしょうか。
そもそも天気雨は、積雲や積乱雲により局地的に雨が降る際によく起こります。原因の一つは、上空で吹く風によって雨を降らせた雲が頭上から移動することにあります。一般的な雨粒の大きさは半径1ミリメートルほどで、毎秒7メートル程度の速さで落下します。仮に高度2000メートルにある積雲から雨が降ってきた場合、地上に達するまでには約5分かかります。この高さの空に風速毎秒6メートルの風が吹いているとすれば、雨粒が落下する間に雲は約2キロメートル移動することになります。雲が移動して晴れ間が出てくれば、天気雨となるのです。
もう一つの原因として、雲の下の風が強い場合が挙げられます。雲から落下し始めた雨粒が強い風に流され、雲から離れた場所に達すれば、やはり晴れた空から雨粒が落ちてくることになります。
気象庁ウェブサイト「雨雲の動き」では雨を降らせている積雲や積乱雲の位置、動きを確認できるので、天気雨を感じた瞬間にチェックしてみましょう。どこにいる雨雲が天気雨を降らせていたのかがわかるかもしれません。また、天気雨の日には虹を観察するチャンスでもあります。太陽と反対側の空で虹を探してみましょう。
写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/『一般気象学』小倉義光著(東京大学出版会)、『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)