カルチャー&ホビー

読めそうで読めない名字「三十日」。由来は暦ではありません

2026.08.19

  • facebook
  • line
  • twitter

墨アート製作/越智まみ

名字の世界 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:三十日(みとおか)

現在の暦は2月だけが28日(うるう年は29日)で、他の月は30日か31日となっています。これに対して、江戸時代以前の暦は月の満ち欠け(29.5日)をベースとして太陽の動きも考慮に入れた太陰太陽暦を採用していたため、1か月の日数は30日か29日でした。従って1年の日数は354日とかなり少なく、数年に1度「閏月」を挿入して調整していました。

さて、太陰太陽暦では31日という日が存在しないため、30日は必ず月末でした。20日を「はつか」というように、30日は「みそか」と呼ばれ、月末を意味したのです。年末を「おおみそか」というのもこれに由来しています。

ところが名字としての「三十日」の多くは「みそか」ではありません。この名字は、「三」と「十日」に分かれるのです。「三」は「み」で、「十日」は「とおか」です。従って、「三十日」と書いて「みとおか」と読むのです。


由来は、おそらく暦の「三十日」とは関係がなく、読みに対してあとから漢字をあてたものでしょう。

「三十日」という名字は岡山市や広島県呉市などにあります。実は、岡山市には「水戸岡」や「三戸岡」という名字があるのです。分家する際に、同じ読みのままで漢字を変えることは全国的に広く行われていました。そこで、岡山市の「みとおか」さんの一族が、漢字を「三十日」と変えたのが由来ではないでしょうか。

同じように、広島県呉市の近くの江田島には「御堂岡」(みどおか)という名字があり、同市の「三十日」は、ここから漢字を変えた可能性が高いと思われます。

なお、「三十日」と書いて文字通り「みそか」と読むこともあります。

・ほかの名字の由来も見る>>


森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/
  • facebook
  • line
  • twitter

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2026 / 08 / 19

他の星座を見る

Keyword

注目キーワード

Pick up

注目記事
12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2026 / 08 / 19

他の星座を見る