名字の世界 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。
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上白石(かみしらいし)
「上白石」という名字を見たことがあるでしょうか。有名なタレント姉妹がいますからテレビで見たことはあると思いますが、実際に会ったことがあるという人は極めて少ないと思います。というのも、この名字は名字ランキングでは3万位以下という極めて珍しい名字なのです。
さて、「上白石」は「上」+「白石」という名字です。では、そもそも「白石」とは何でしょうか。
今では色の名前はたくさんあります。しかし、古い時代には「赤」「青」「白」「黒」の4つしかありませんでした。暖色系全般を「赤」といい、寒色系を総称して「青」といいました。そして、明るい色を「白」といい、暗い色を「黒」とよんだのです。
従って、「白」は今でいう「白=white」だけではなく、明るい色を広く指していました。「白川」は「白い(whiteの)川」ではなく日が差しこんで明るい川を指し、「白木」は皮を剥いて明るい色になった木を指すのです。
つまり「白石」は真っ白な石ではなく、明るい色の石のことなのです。こうした石がたくさんある場所を「白石」といい、そうした場所が地名となり、そこに住んだ人が名乗ったのが「白石」さんなのです。
また鹿児島県では同じ地名に住んだ人が、その地名の中で自分の家のある場所に因んで、地名の上に方角をつけて名字とすることがよく行われました。有名な「東国原」や「北別府」という名字もルーツは鹿児島県で、地名の上に「東」や「北」をつけたものです。
そのため、鹿児島県は漢字3文字以上の名字が多い県として知られています。「上白石」もそうした名字の1つで、「白石」の上に「上」という方角をつけたもので、鹿児島県薩摩川内市に集中しています。
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森岡浩/Hiroshi Morioka姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
墨アート製作 書家・越智まみ(
https://esprit-de-mami.com/)