カルチャー&ホビー

「つまどり」以外の読み方分かりますか?戦国武将でも知られる名字「妻鳥」のルーツ

2026.07.15

  • facebook
  • line
  • twitter

墨アート製作/越智まみ

名字の世界 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:妻鳥(めんどり)

愛媛県に「妻鳥」という名字があります。漢字の読み方通りに「つまどり」とも読みますが、本来はかなり難読の名字です。

「妻鳥」の「鳥」はニワトリのことです。「妻」はメスを指していますから、「妻鳥」と書いて「めんどり」と読むのが本来の読み方なのです。

この名字のある愛媛県には、伊予国宇摩郡妻鳥(現在の愛媛県四国中央市妻鳥町)という地名がありました。現在でも「めんどり」と読み、妻鳥小学校もあります。


ここには古墳群があるなど、かなり古い時代から栄えた場所らしく、允恭天皇の皇太子木梨軽皇子(きなしのかるのみこ)が伊予に配流された際、暴風雨のためこの地に上陸して居住したとの伝説も伝わっています。さらに、大坪や庄境という条里制や荘園の存在を示す地名も残っています。

戦国時代ここには妻鳥采女(めんどり・うねめ)という武将がいました。現在の「妻鳥」という地名は、この妻鳥氏に由来するものだといいます。

妻鳥氏は「免取」「妻取」「目取」などとも書かれ、もともとの「めんどり」という地名に様々な漢字を当てた結果、「妻鳥」に落ち着いたものと思われます。

「めん」は通常「免」という漢字を当て、田んぼから取れるコメの取り分を指します。ただし、近世の「免」が領主の取り分=税であるのに対し、中世の「免」は農民の取り分を指し、時代によって意味が逆転しています。

「めんどり」地名は中世からあるため、農民の取り分に因む地名だと思われます。

なお、川之江城主の妻鳥采女は、天正年間に大西氏に敗れ滅亡しています。

・ほかの名字の由来も見る>>


森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/
  • facebook
  • line
  • twitter

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2026 / 07 / 15

他の星座を見る

Keyword

注目キーワード

Pick up

注目記事
12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2026 / 07 / 15

他の星座を見る