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夏に出合いやすい「積乱雲」の中の世界とは? 高度の違いによって異なる景色を解説

2026.06.28

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空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。 連載一覧はこちら>>

積乱雲の中の世界

夏の青空に大きくそびえ立つ、積乱雲。そんな積乱雲の中は、どうなっているのでしょうか。積乱雲に上部から入り、内部を下降していくとどんな状況なのかを考えてみます。

まず、夏の積乱雲は背の高さが約15キロメートルに達することがあります。この高さの空は、気温がマイナス50~マイナス60℃という極寒の世界です。積乱雲は雲が発達できる限界の高さまで成長し、それより上にいけずに横に広がるため、上部が平らになった「かなとこ雲」という構造を持っています。かなとこ雲は高濃度の氷晶でできており、中に入ると濃い霧の中のように見通しがきかなくなります。そして積乱雲の中心部分に到着すると、秒速10メートル以上の強い上昇気流にさらされ、無数の氷晶が飛んできます。

光が届かず暗くなった積乱雲の中を下降していくと、氷晶が雪の結晶へと成長する一方、上昇気流の強い空では氷点下でも水滴のままの過冷却雲粒が見られるようになります。すると雪結晶に雲粒がついてあられが生まれ、あられとともに落下を続けていきます。あられは雷の発生に重要なため、この頃から雷の光や音も見聞きするようになります。


そして高度約5キロメートルの空に達すると、気温が0℃以上になりました。あられは融解して雨粒へと変わります。雨粒はくっついたり分かれたりを繰り返しながら地上へと落下を続け、高度500メートル~1キロメートルで雲の底を抜けて、ようやく地上に戻ってきました。

夏の午後などによく見かける積乱雲の中では、高さによって状況が大きく異なり、自然の壮大さを感じる景色が広がっています。みなさんが次に積乱雲を見かけたときには、その中の世界にも想像を広げてみてください。

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写真/荒木健太郎

写真/荒木健太郎


監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。XInstagramYouTube

文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki
気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。XYouTube

●参考文献/『雲の超図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)

監修/荒木健太郎 文/佐々木恭子 協力/太田絢子、鈴木幸花、津田紗矢佳、三上萌々

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