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豊臣秀吉が与えた名字「音揃」。歴史好き必見のルーツとは

2026.06.17

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墨アート製作/越智まみ

名字の世界 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:音揃(おんぞろ)

大阪府南部にあるかなり珍しい名字です。

「音」は「おん」、「揃う」は「そろう」と読みますから、「音揃」と書いて「おんぞろ」と読みます。いずれも漢字本来の読み方通りなので、とくに難読というわけではありません。一度読み方を聞いてしまえば納得できる読み方なのですが、初見でこの名字を正しく「おんぞろ」と読むのは難しいと思います。

「音揃」という名字は由緒がはっきりしています。


音揃家は清和源氏の出で、元は「目賀」と名乗って水軍を率いていたといいます。

文禄元年(1592)、豊臣秀吉が朝鮮半島に出兵した際(文禄の役)、目賀氏も水軍を率いて出兵しました。このとき、出陣する船団の櫓の音が見事に揃っていたことに感激した秀吉から、「音揃」という名字を賜ったと伝えています。

秀吉は時の最高権力者ですし、そもそも大坂では秀吉は高い人気があります。その秀吉から直接賜った名字を名乗るのは極めて名誉なことでした。

ところが関ヶ原合戦で豊臣家の西軍は敗れ、大坂の陣で豊臣秀頼は自害、豊臣家は徳川家に逆らって滅亡した家となったことから、音揃家では秀吉から賜った「音揃」という名字は名乗りづらくなったのです。そのため、音揃家の嫡流は「音揃」を憚って、秀吉の家臣から家康の家臣に転じた片桐且元にちなんで、名字を「片桐」に改めたといいます。

そうしたなかでも「音揃」を名乗り続けた一族もおり、現在は、大阪府の堺市と岸和田市に集中しています。

・ほかの名字の由来も見る>>

森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/
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