連載「心をほどく、和の調べ」 5月は「篳篥(ひちりき)」
選=日本和楽器普及協会
文=中村仁美(篳篥奏者)雅楽で用いられる篳篥(ひちりき)は、葦を潰して薄く削ったリードに息を吹き込んで音を出します。
篳篥の仲間はアジア各地に伝承されていますが、面白いことに、トルコのメイ奏者に篳篥を渡すと、顎を動かしビブラートをかけてトルコ民謡のように、中国の管子(グァンヅ)奏者に渡すと、舌を使って歯切れ良い中国音楽のように演奏されます。
その都度、楽器は“器”なのだとつくづく感じます。
日本の篳篥は儀式の場でゆったり淡々と奏されてきました。高次倍音を含むその豊かな音色は神仏に、そして人の身体の奥深くに届きます。
こちらから演奏をお聞きいただけます。https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=t19Hfa2HVQk舞楽の舞人(まいにん)の登退場などで演奏される「平調調子(ひょうじょうのちょうし)」。同じ指孔を押さえながら、息遣いや唇の位置で音高を微妙に変える奏楽技法は、「塩梅(えんばい)」と呼ばれる。
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