美しき緑走れり夏料理
星野立子
選・文=夏井いつき(俳人・エッセイスト)立夏を迎えるのは五月初旬。自分の生まれ月だからというわけではないが、若葉の美しい五月が一番好きだ。季語「夏料理」とは、夏ならではの食材を使い、さっぱりとした味付けや彩り鮮やかな盛り付けを工夫したものの総称。「美しき緑走れり」と声に出してみると、眼球の奥に若葉の明るい色彩が瞬く。
いつぞやロケで訪れた折に買った波佐見焼を取り出し、白磁に藍色の涼やかな皿に庭の若楓を添えてみる。さて、ここに何を盛ろうかと、今日の逆算的夏料理を楽しむ。
●星野立子 俳人(1903~84)。高浜虚子に師事。
俳句の表記は『句集 笹目』(七洋社/1950年)に準じた。
・
連載「季語に親しむ」の記事一覧はこちら>>>