空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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ハリケーン・サイクロン・台風の違い
海外のニュースで「ハリケーン」や「サイクロン」という言葉を見聞きすることがあります。これらは、日本でよく知られている「台風」とは何が違うのでしょうか。
ハリケーン・サイクロン・台風は、いずれも熱帯の海上で発達する熱帯低気圧です。違いは現象や構造ではなく、実は存在する海域による違いにあります。
一般に、北大西洋ではハリケーン、インド洋ではサイクロン、そして日本に影響を及ぼすことが多い北西太平洋では台風と呼ばれます。このため、日付変更線を越えて東から西へ移動してきたハリケーンが、そのまま「台風」へと呼び名を変えることもあります。
また、最大風速の基準も異なります。台風やサイクロンは最大風速が毎秒約17メートル以上でその名で呼ばれますが、ハリケーンの場合は、毎秒約33メートル以上と定義されているのです。
海を越えた地域によって呼び名は異なりますが、いずれも同じ熱帯低気圧です。名前の違いを知ることで、世界の気象ニュースもぐっと理解しやすくなります。
写真/NASA
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/太田 絢子 Ayako Ota気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー。これまでNHK松山やCBCテレビにて気象解説を務め、防災気象情報や地球温暖化に関する講演・執筆活動も行う。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。2023年10月よりアメリカ・ロサンゼルスに在住。
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Instagram●参考文献/『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、気象庁『台風について』URL:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq14.html、『読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし』荒木健太郎著(ダイヤモンド社)