空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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初夏に多い「22度ハロ」
5月の晴れた空で、太陽の周りに虹色の光の輪が見えることがあります。これは「日暈」や「ハロ」と呼ばれる現象です。ハロには色々な種類がありますが、最もよく見られるのは、空に向かってまっすぐ腕を伸ばしたときに太陽から手のひら1個分ほど離れた位置に現れる「22度ハロ」です。
ハロは、高度5000メートル以上の上空に広がる
巻層雲を構成する氷の粒によって生まれます。六角柱の形をした氷の粒が太陽光を屈折させることで、美しい光の輪が現れるのです。
古くから「太陽や月に光の輪がかかると雨」という
観天望気がありますが、これは気象学的にも信頼できる観天望気の一つです。西から低気圧や前線が近づくと、まず高い空から湿って、ハロを生み出す巻層雲が広がることが多くあります。ハロが見えた後、雲が次第に厚くなり太陽がかすんでくるようなら、天気が下り坂に向かうサインです。
三重県での観察では、ハロに出合える回数は統計的に4~6月に多く、5月にピークを迎えるという調査があります。この要因としては、沖縄地方が梅雨入りすると本州の南海上には梅雨前線が存在することになり、その北側では巻層雲が広がりやすくなるためと考えられます。
空に現れる光の輪を見つけたら、その後の天気の変化にも注目してみてください。洗濯物を取り込むタイミングの参考になることもあります。
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写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/太田 絢子 Ayako Ota気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー。これまでNHK松山やCBCテレビにて気象解説を務め、防災気象情報や地球温暖化に関する講演・執筆活動も行う。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。2023年10月よりアメリカ・ロサンゼルスに在住。
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Instagram●参考文献/『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、『大気光学現象の出現頻度』鵜山義晃著 URL:https://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2017/2017_03_0053.pdf