空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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初夏の熱中症と暑熱順化
暦の上では、毎年5月5日前後は夏が始まる「立夏」です。日中の最高気温が25℃以上となる「夏日」が少しずつ増え、初夏らしい陽気の日も多くなってきます。まだ真夏ほどの暑さではないものの、この時期は体がまだ暑さに慣れていないため、熱中症への注意が必要です。
熱中症の要因は気温だけではなく、湿度や日射、地面などからの輻射熱(ふくしゃねつ)を含めた「熱環境」、年齢や体調などの「体」の状態、さらに激しい運動や長時間の屋外作業といった「行動」の3つの要因が重なって起こると考えられています。
熱中症予防のためにこの時期に大切なのが、「暑熱順化」です。暑熱順化とは、体が暑さに慣れて発汗や体温調節の機能が働きやすくなる状態のこと。暑熱順化はやや暑いと感じる環境において、ややきついと感じる強度で、毎日30分程度のウォーキングなどの運動を続けることで得られます。暑熱純化が完成するまでは2週間ほどかかるため、暑さが本格化する前に汗をかく習慣を身につけておくことが大切です。
無理のない暑さへの体づくりや喉が渇く前のこまめな水分補給を心がけ、健やかに初夏を楽しみましょう。
写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/太田 絢子 Ayako Ota気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー。これまでNHK松山やCBCテレビにて気象解説を務め、防災気象情報や地球温暖化に関する講演・執筆活動も行う。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。2023年10月よりアメリカ・ロサンゼルスに在住。
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Instagram●参考文献/環境省『熱中症環境健康保健マニュアル2022』URL:https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/manual/heatillness_manual_full.pdf、環境省ecojin『熱中症警戒アラートやエアコンを適切に利用し、この夏も万全の熱中症対策を!』URL:https://www.env.go.jp/guide/info/ecojin/feature1/20230726.html