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初夏の空に大凧を揚げる「浜松まつり」。凧揚げが盛んな理由は地形と風にあり

2026.05.03

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空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。 連載一覧はこちら>>

凧揚げに適した自然条件

初凧(はつだこ)は、子どもが生まれて初めて迎える端午の節句に、健やかな成長を願って凧を揚げる風習です。地域によって形や大きさはさまざまですが、誕生した子どもの名前を入れた凧を揚げるなど、家族の喜びを空へ届ける行事として各地に伝わっています。

なかでも450年あまりの歴史をもつ静岡県浜松市の「浜松まつり」では、毎年5月3日に2~10畳にもなる大凧が揚げられます。誕生した子どもの名前や家紋が描かれた凧は、高く揚がれば揚がるほど、子どもは健やかに育つとされています。

浜松で凧揚げ文化が発展した背景には、地域の地形と風の条件が深く関わっています。会場となる中田島砂丘は遠州灘に面した広い砂丘で、内陸と比較すると、晴れた日にはやや風が強く吹く傾向にあります。浜松まつりの凧揚げは10~15時に行われ、この時間帯の西寄りの風は、毎秒5メートルほどの強さで安定して吹き続ける特徴があるそうです。これは、高気圧に覆われた状況で、一日の中でも日中に強まる海風と考えられます。広い砂丘と安定した海風という自然条件が、浜松の初凧文化を支えてきたのです。


大型連休の後半、空を見上げて風の向きや強さを肌で感じてみてください。初夏の風の中に、凧を揚げるのにちょうどよい自然の力が隠れていることに気づくかもしれません。

写真/浜松・浜名湖ツーリズムビューロー

写真/浜松・浜名湖ツーリズムビューロー


監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。XInstagramYouTube

文/太田 絢子 Ayako Ota
気象予報士・防災士・気象防災アドバイザー。これまでNHK松山やCBCテレビにて気象解説を務め、防災気象情報や地球温暖化に関する講演・執筆活動も行う。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。2023年10月よりアメリカ・ロサンゼルスに在住。XInstagram

●参考文献/航空自衛隊『浜松まつりと気象について』URL:https://www.mod.go.jp/asdf/awsg/aboutawg/column/images/column013.pdf?utm_source、浜松まつり組織委員会『浜松まつりの歴史』URL:https://hamamatsu-daisuki.net/matsuri/introduction/history.html

監修/荒木健太郎 文/太田絢子 協力/佐々木恭子、津田紗矢佳、三上萌々

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