空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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雷への備え
突然の雷雨に見舞われた際、木の下で雨宿りをするのは「側撃雷(そくげきらい)」を受けるおそれがあり、きわめて危険です。このような危険を避けるためには、雷の性質を理解し、事前に備えることが大切です。
そもそも雷は、
積乱雲(雷雲)によってもたらされ、高い木や電柱に落ちやすいという性質があります。通常、雷が木に落ちると、大量の電気は幹を伝って地面に流れます。ところが、幹や枝よりも電気を通しやすい人間が近くにいる場合、電気はその人へと飛び移ることがあります。これが側撃雷と呼ばれる現象です。この危険は木の下に限らず、軒下などでも起こる可能性があります。実際に、雨宿り中の側撃雷による事故は、落雷被害の中で直撃に次いで多いとされています。
また、落雷は積乱雲の真下だけでなく、少し離れた場所でも発生します。そのため、屋外で雷鳴が聞こえた時点で、その場所ではいつ落雷が起こってもおかしくなく、危険です。速やかに建物内や自動車内へ避難し、近くに避難できる場所がない場合には直ちに高い木や電柱などから4メートル以上(普通自動車1台分)離れてください。
積乱雲の発生は、天気予報において「大気の状態が不安定」「雷や、竜巻などの突風に注意」といった表現で伝えられます。その際には、いつもより空模様の変化に気を配り、異変に気づいたら気象庁のWEBサイトで「雨雲の動き」を見てみてください。周囲の雷雨の発生状況や進行方向などが分かるため、危険が近づく前の迅速な避難判断につながります。
写真/NOAA
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/気象庁『雨雲の動き』URL:https://www.jma.go.jp/bosai/nowc/#lat:35.191767/lon:134.956055/zoom:5/colordepth:thin/elements:slmcs&slmcs_fcst&hrpns&liden、フランクリン・ジャパン『人体への雷撃パターン』URL:https://www.franklinjapan.jp/raiburari/knowledge/safety/61/、『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、『もっとすごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)