名字の世界 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。
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難読名字:水卜(みうら)
「水卜」と書いて「みうら」と読みます。本来はかなりの難読名字なのですが、有名なアナウンサーがいるため多くの人が正しく読めると思います。
「水卜」の「卜」はカタカナの「ト」ではなく、漢字の「卜(ぼく)」です。「卜」は「うらなう」という意味で、「占」と同じ意味です。つまり、「水卜」とは「水占」のことです。
「水占」は「みずうら」とも「みなうら」ともいい、古代から行われていた占いの一種です。
今でも各地の神社で、白紙で受け取った紙を御神水に浸すと運勢などが現れるおみくじがあります。水占みくじ、水みくじなどと呼ばれ、とくに京都の貴船神社が有名です。
近年は外国人観光客向けに多言語翻訳のQRコード付きも登場しているようです。
現在の水占みくじは、水に濡れた部分だけが透明化して隠されたインクや下地が透けて見えるという「水出し印刷技術」という最新技術を用いた紙を使用することで実現しています。
では昔の水占みくじはどうやっていたのでしょうか。
実は、水の増減や清濁、或いは水にもみや豆などを落としてその沈みぐあいで占うなどともいわれるものの、具体的にどうやっていたのかはよくわかっていないのです。
地域によって占いかたが異なっていたともいいますが、いずれにしても川辺などの水の流れで占っていたようです。
「水卜」は、こうした神社などで行われていた水による占いに由来する名字であると考えられます。名字としては極めて珍しく、香川県などにごくわずかあるだけです。
森岡浩/Hiroshi Morioka姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
墨アート製作 書家・越智まみ(
https://esprit-de-mami.com/)