空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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風が吹く仕組み
風は体が押されるほど強く吹きつけたり、頬を撫でるように柔らかく吹いたりします。一体どこから吹いてきて、どこへ向かうのでしょうか。
風の吹く原因は、大気中に生じる気圧差にあります。気圧は、空気が物を押す力のことで、周りよりも気圧の大きい所は高気圧、小さい所は低気圧と呼ばれます。
高気圧と低気圧が隣り合う場合、その間にある空気には高気圧側から低気圧側に向かう「気圧傾度力」という力がかかります。風とは、この気圧傾度力に従って空気が動く現象であり、高気圧から低気圧へ向かって吹いているのです。
風が吹く仕組みは、室内の環境をコントロールする技術としても活用されています。たとえば、半導体工場のクリーンルームでは、汚染物質の侵入を防ぐために、室内の気圧を外気よりも高く保っています。これにより、必ず外に向かって空気が流れ出します。反対に、隔離病室などでは、感染症などの拡大を防ぐために室内の気圧を外気よりも低く保ち、常に室内に向かって空気が流れるよう管理されています。
空気の動きや気圧の差を想像できると、高気圧から低気圧に向かう風が目に見えるようで面白いですね。
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監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』荒木健太郎・太田絢子・佐々木恭子著(日本文芸社)、PROTRUDE『陽圧・陰圧とは?違いやリスクなど、クリーンルーム設計に欠かせない基礎知識を解説』URL:https://protrude.com/report/positive-negative-pressure-cleanroom/