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春を象徴する空「花曇り」。俳句でも多く詠まれた、曇天の情景

2026.04.07

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空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。 連載一覧はこちら>>

花曇り

春の曇り空には「花曇り」という名前があります。これは、桜の咲く頃によく見られる曇り空を意味します。

春は、温帯低気圧の通過や前線の停滞などにより、雲の広がる日が多くなります。花曇りは、高層雲(おぼろ雲)などが広がる比較的明るい曇り空を指します。

こうした曇天は春の情景をよく表すものとして、俳句などにも詠まれてきました。


江戸時代中期の俳人、与謝蕪村(1716年~1784年)の句には

「花ぐもり朧につづくゆふべかな」

とあります。おぼろ雲の広がるぼんやりとした空が夜へと続いていく、景色も時間の境目も淡い、春の夕暮れを捉えています。また、夏目漱石(1867年~1916年)の句には

「花曇尾の上の鐘の響かな」

とあり、かすんだ曇り空の中、山上の寺の鐘が遠くから響いてくる、そんな情景が描かれています。

曇り空は春を象徴する空の一つです。桜の花は、真っ青な空にもよく映えますが、花曇りの空でも風情があります。

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写真/荒木健太郎

写真/荒木健太郎


監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。XInstagramYouTube

文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki
気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。XYouTube

●参考文献/『風と雲のことば辞典』倉嶋厚監修(講談社)、『最高にすごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、きごさい歳時記『花曇 晩春』URL:https://kigosai.sub.jp/001/archives/582

監修/荒木健太郎 文/佐々木恭子 協力/太田絢子、津田紗矢佳、三上萌々

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