空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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寒の戻り
春の訪れとともに気温が上昇した頃、再び冬のような寒さに見舞われることがあります。このような気温の変化は「寒の戻り」と呼ばれます。
寒の戻りは、立春を過ぎてから再来する厳しい寒さを指すこともありますが、気象庁の「天気予報等で用いる用語」では、3~4月に再び寒くなることと説明されています。
春はまだ、大陸や日本の北側に真冬並みの寒気が残っていることがあります。そのため、
温帯低気圧が日本付近を通過した後に一時的に冬型の気圧配置となると、強い寒気が流れ込み、気温が低下することがあります。これが寒の戻りの一因です。桜の咲く頃の寒の戻りは「
花冷え」とも呼ばれます。
また、同じ時期の関東平野では南岸低気圧と呼ばれる低気圧に伴って寒の戻りとなる場合があります。南岸低気圧は、本州の南海上を北東方向へ進む低気圧で、接近すると雲が広がることや雨が降ることによって気温が下がるだけでなく、地理的な条件のために関東平野には北東から寒気が流入しやすくなるのです。
4月に入ると、冬物のコートなどをクリーニングに出してしまう方も多いかもしれません。しかし、気温は日々上昇と下降を繰り返します。暖かい服装は何着か手元に残しておくと安心です。
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監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/気象庁『過去の気象データ検索』URL:https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/index.php、気象庁『天気予報等で用いる用語(気温、湿度)』URL:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kion.html