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「春はあけぼの」とはどんな空? 千年前に思いを馳せて空を見上げる

2026.04.04

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空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。 連載一覧はこちら>>

「春はあけぼの」の空

「春はあけぼの。」といえば、平安時代中期に清少納言(966年頃~1025年頃)が執筆した『枕草子』の冒頭が思い起こされます。「あけぼの」とは、日の出前の空や時間そのもののこと。清少納言は、春のあけぼのを、とりわけ趣深いものとして表現しました。そこには、どのような空が広がっていたのでしょうか。

「春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは少し明りて紫だちたる雲の細くたなびきたる」

山際がほのかに明るみを帯び、紫がかった雲が細くたなびく。清少納言は、その繊細な空の色こそが春のあけぼのの美しさであると示しています。山の稜線が明るく浮かび上がってくる頃、空は紫色から橙色へと移り変わっていきます。「細くたなびく雲」すなわち、水平方向に細長く漂うような巻雲(筋雲)などの雲は、この時間では太陽光が直接当たっていないために、焼け始めた空で薄暗い紫色に見えるのです。


このように、千年以上の時を隔てても、春の空の情景が鮮やかによみがえることに驚きを覚えます。少し早起きして見た空で、紫がかった雲が細くたなびく様子を見られたら、感慨深いですね。

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写真/荒木健太郎

写真/荒木健太郎


監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。XInstagramYouTube

文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki
気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。XYouTube

●参考文献/『最高にすごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、Rekisiru『「枕草子」とは?内容や特徴まとめ』URL:https://rekisiru.com/11269、ジャパンナレッジ『をかし』URL:https://japanknowledge.com/introduction/keyword.html?i=1647

監修/荒木健太郎 文/佐々木恭子 協力/太田絢子、津田紗矢佳、三上萌々

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