空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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ピンクムーン/花粉月光環(かふんげっこうかん)
2026年4月2日は満月です。4月の満月は「ピンクムーン」と呼ばれることがあります。
一般的に知られている満月の名称には、北アメリカの先住民族から伝わったものが多くあり、季節ごとに移り変わる植物や動物の活動、農作業や狩猟にちなんで名付けられています。ピンクムーンもその一つで、春に咲くピンク色の花「モスフロックス」(芝桜)に由来する名前です。
4月の満月はこのほかにも名前があります。草木が芽吹く季節であることから「スプラウティンググラスムーン(萌芽月)」、産卵のために魚が川を遡上する時期であることから「フィッシュムーン(魚月)」とも呼ばれます。
春の満月で、ぜひ観察していただきたい現象が「花粉月光環(かふんげっこうかん)」です。
花粉月光環は、月に向かってまっすぐ腕を伸ばしたとき、月から握りこぶし一つ分の範囲内で月を囲むように現れる虹色の輪です。月の光が花粉の粒子によって曲げられ(回折)、虹色に分かれることで生まれます。
太陽の周りでも「
花粉光環」として観察されますが、太陽光は非常に強く、直視すると眼を傷める危険があります。しかし、月の光であれば、直接観察しても安全です。特に満月に近い月齢の月の明るさがあれば、鮮やかな虹色を確認できるでしょう。
晴れた夜空に月が昇ってきたら、月の周りの虹色を探してみてください。
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写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/『最高にすごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、The Old Farmer's Almanac『A Guide to Traditional Full Moon Names and Their Meanings』URL:https://www.almanac.com/full-moon-names