空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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花粉光環の観察
花粉が舞うこの時期に見られる、不思議な光景。太陽の周りを彩る「花粉光環」と呼ばれる虹色の現象です。今回は、花粉光環の観察の仕方について紹介します。
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「花粉光環」とは何か知る>>観察に適しているのは、2月下旬ごろから4月にかけて、雨上がりに晴れて気温が上がり、風が強く吹く日です。こうした条件が揃うと、大気中に大量の花粉が舞い上がり、青空を背景に鮮やかな花粉光環が見られる可能性が高まります。
花粉光環は、空に向かって真っすぐ腕を伸ばして、太陽から握りこぶし半分くらいの狭い範囲に、太陽を中心に環状に現れます。そのまま太陽を直視すると、目を傷めてしまい非常に危険な上に、強い光のせいでカメラでも虹色が見えにくくなります。そこで、おすすめの観察方法があります。
まずは、太陽に背を向けて、自分の頭の影だけが建物などの影に隠れる位置に移動します。頭の影が隠れてから太陽の方向に振り返り、太陽がぎりぎり隠れる位置を探すと、太陽のまわりに鮮やかな虹色の環を観察できます。太陽をぎりぎり隠して観察するのに慣れてきたら、丸い形の街灯の影などを使うと、ほぼ環状の光環を観察できます。
また、月の周りに現れる夜の花粉月光環もおすすめです。月の光であれば、太陽光ほど強くないので目を傷める心配もなく、安全に観察できます。特に、満月に近い明るい月の見える夜は、花粉月光環の観察のチャンスです。
朝や夕方など太陽高度の低い時間帯には、暖色系のやわらかな色合いや、赤みを帯びた花粉光環に出合えることもあります。ここで紹介した観察方法を実践すれば、スマートフォンやデジタルカメラでも手軽に鮮やかな花粉光環を撮影できるので、ぜひ試してみてください。
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写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)