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すべての季節のあいだに梅雨がある! 冬から春の変わり目は「菜種梅雨」の時期

2026.03.21

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空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。 連載一覧はこちら>>

菜種梅雨(なたねづゆ)

梅雨といえば、春と夏のあいだに訪れる、蒸し暑く雨の多い季節を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし実は、冬から春の間にも梅雨に似た時期があり、「菜種梅雨(なたねづゆ)」と呼ばれています。

菜種梅雨とは、3月~4月ごろにかけて曇りや雨の日が続く時期を指します。菜種油の原料であるアブラナ(別名:菜の花)が咲くころであることが由来です。また、類語として、筍が生える4月~5月ごろに降る長雨を指す「筍梅雨(たけのこづゆ)」もあります。

この時期、大陸からオホーツク海にかけての日本の北側には、まだ冬の名残の冷たい空気があります。その一方で、日本付近は春の暖かい空気に覆われるため、南北の温度差が大きくなり前線が停滞しやすくなります。これにより、曇りや雨が続くことがあります。


そもそも梅雨とは、春から夏へと季節が移り変わる時期に現れる季節現象です。オホーツク海周辺の冷たい空気をもつ高気圧と、南の海上にある暖かく湿った空気の太平洋高気圧とのあいだに、東西に長くのびる前線が停滞します。そこへ双方から湿った空気が流れ込み、ぐずついた天気が続くのです。

こうした前線の形成要因と、大陸と海に囲まれた立地から、日本付近では各季節の変わり目に同様の前線が停滞することがあります。菜種梅雨のほか、夏から秋のあいだには「秋雨」、秋から冬のあいだの山茶花(さざんか)の咲く頃には「山茶花梅雨」と呼ばれる梅雨が現れることがあります。

季節の境目に降る雨は、新たな季節へと進む途中にあることを、私たちに知らせてくれる存在なのです。

写真/津田紗矢佳

写真/津田紗矢佳


監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。XInstagramYouTube

文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki
気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。XYouTube

●参考文献/『雨のことば辞典』倉嶋厚、原田稔編著(講談社)、『もっとすごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)

監修/荒木健太郎 文/佐々木恭子 協力/津田紗矢佳、太田絢子

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