空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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春分の日の昼夜の長さ
2026年3月20日は春分の日です。春分は、昼と夜の長さがほぼ同じになる日で、ここから秋分の日(9月23日)までは昼の時間のほうが長くなります。では、昼の長さには一年を通してどれほどの違いがあるのでしょうか。
ここでは、昼の長さを日の出から日の入りまでの時間として考えます。日の出は、昇る太陽の上端が地平線にかかった時刻、日の入りは、沈みゆく太陽の上端が地平線に重なった時刻です。
昼の時間は春分を境にのび始め、夏至(2026年の場合は6月21日)に最も長くなります。夏至を過ぎると次第に短くなり、秋分の日に再び昼と夜の長さがほぼ同じになると、その後は冬至(2026年の場合は12月22日)へ向かい、徐々に昼の時間が短くなっていきます。これは、地球が太陽の周りを公転する際に、公転軸に対して地軸が23.4度傾いているために起こります。
昼の長さは地域によって異なり、年間の差は緯度が高くなるほど大きくなります。たとえば、東京の昼の長さは夏至で約14時間35分、冬至で約9時間45分、その差はおよそ5時間です。一方、札幌では夏至で約15時間23分、冬至で約9時間、その差はおよそ6時間半にも及びます。
ちなみに春分の日・秋分の日でも、昼と夜は12時間ずつではなく、実際には昼のほうが長いです。理由の一つは、日の出・日の入りの時刻を、太陽の中心ではなく上端を基準にしているためです。これにより、太陽一つ分の約2分、昼の時間が長くなります。
もう一つの理由は、太陽光が地球の大気によって屈折することにあります。光は大気中を通るときに曲がるため、地平線近くの太陽は、本来の位置よりも少し浮き上がって見えます。その結果、実際には地平線の下にあるはずの太陽の上端が、わずかに見えるのです。この効果により、昼の長さは4分以上長くなります。これらの理由と、日本付近では太陽が斜めに昇ることも考慮され、春分の日の昼は12時間よりも約8分長くなり、夜の時間との差は約16分にもなります。
春分を過ぎると、明るい時間が少しずつ増え、活動しやすい季節へと移っていきます。早朝や夕方の明るい時間を利用して散歩や運動を取り入れるなどしてみるといいかもしれません。
写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/国立天文台『暦計算室』URL:https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/ 、国立天文台『春分の日・秋分の日には、昼と夜の長さは同じになるの?』URL:https://www.nao.ac.jp/faq/a0303.html