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島に由来する名字「真鍋」。祖は源平合戦にも関係しています

2026.04.01

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墨アート製作/越智まみ

名字の世界 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:真鍋(まなべ)

「真鍋」は地名に由来する名字で、そのルーツは島です。実は、日本には有人・無人合わせて数多くの島があるものの、島の名前に因む名字は意外と多くありません。

「~島」という名字も、実際には平地のなかの小高い場所を指す「島」に由来することが多い他、島に住んでいる人の名字も、島の名前ではなく、島の中の地名に由来していることが多いのです。

そうしたなか「真鍋」は島名に由来する名字です。


真鍋島は瀬戸内海の岡山県と香川県のちょうど真ん中あたりに位置しており、現在は岡山県笠岡市に属しています。

港には石積みの堤防があり、のどかな漁村の佇まいを残している他、風情のある本浦の街並みなどは岡山県が「ふるさと村」に指定しており、『瀬戸内少年野球団』など映画のロケ地にもなりました。

さて、真鍋島という名前の由来は「真南辺の島」だといいます。

これは備中国小田郡の南端にある島という意味で、後に「真鍋」という漢字をあてたと考えられています。そして、平安時代にこの島に移り住んだ一族が島名をとって真鍋氏と名乗ったのが祖です。

真鍋氏は島内の真鍋城に拠って水軍を率い、近くの北木島・飛島・六島も支配していたと伝えています。源平合戦の際には平家方に属し、『平家物語』に弓の名人として登場する「備中国の住人真名辺(まなべ)四郎・真名辺五郎」は真鍋一族の武者でしょう。

こうして、真鍋氏はこの島を根拠に周囲に広がりました。

四国では讃岐国山田郡(現在の香川県)の国衆として知られる真鍋氏がこの一族で、戦国時代、向城(高松市木太町)に拠って香川氏に属しました。この真鍋氏は「真部」とも書きます。

現在の大阪府南部にあたる、和泉国日根郡の国衆の真鍋氏も真鍋島の出と伝えています。戦国時代は豊臣秀吉に仕え、江戸時代は紀伊藩士となりました。

また、秀吉の根来攻めの際に秀吉方についた紀伊国国衆の真鍋氏も同族らしく、こちらは江戸時代は徳島藩士となっています。

現在も「真鍋」は瀬戸内海沿岸に多く分布しており、とくに香川県と愛媛県に多くなっています。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/
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