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雲は地震の前兆にならない。地震が不安なら日頃の備えの確認を

2026.03.11

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空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。 連載一覧はこちら>>

雲の形には気象学的な意味がある

大きな地震が起こると、SNSなどで「地震雲を見た」といった投稿が、必ずと言ってよいほど見受けられます。また、見慣れない形や色の雲が現れると、「地震の前兆ではないか」と不安の声が広がることもあります。

ここではっきりと述べておきたいのは、「雲は地震の前兆にはなり得ない」ということです。なぜなら、空で見られる雲は、その形も発生要因も気象学で説明できるためです。

「地震雲」と呼ばれやすいものには、まっすぐ上昇・下降しているように見える飛行機雲や、波のように並ぶ波状雲などがあります。これらはいずれも、なぜそのように見えるのか、なぜ特有の形状を取るのかについて、気象学で説明が可能な雲です。ただし、日常的に空を見上げる習慣のない方にとっては、とても珍しく不思議な現象として見えるのかもしれません。


よく語られる説の一つに、地殻の変動で発生する電磁波が雲に影響を及ぼす、というものがあります。しかし、そもそもこのしくみは明らかになっていません。仮に地下の変化が何らかの影響を与えていたとしても、その雲の形や状態は気象学で説明できてしまうため、雲を見て地下の影響を認識し、区別することはできません。そのため、雲から地震の前兆を読み取ることはできないのです。

日時や場所をピンポイントで特定した地震予知は、現代技術では不可能です。いつ起こるか分からない地震だけでなく、社会情勢などを背景とした不安な気持ちを、空に投影したくなってしまうということもあるかもしれません。しかし科学的な根拠のない情報に振り回されるよりも、地震に対しては日ごろから十分に備えておくことのほうが大切です。

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写真/荒木健太郎

写真/荒木健太郎


監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。XInstagramYouTube

文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki
気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。XYouTube

●参考文献/公益社団法人日本地震学会広報誌「なゐふる」第117号『雲は地震の前兆になるのか』荒木健太郎著、『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、『読み終えた瞬間、空が美しく見える気象のはなし』荒木健太郎著(ダイヤモンド社)、公益社団法人日本地震学会『FAQ2-12.地震雲(2019年10月修正)』URL:https://www.zisin.jp/faq/faq02_12.html

監修/荒木健太郎 文/佐々木恭子 協力/津田紗矢佳、太田絢子

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