空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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昇り降りするような飛行機雲
青空を飾る飛行機雲には、細く長く伸びるものもあれば、複数が交差して模様のように見えるときもあります。中でも、まるでロケットが宇宙へ昇っていくかのように、あるいは地上へ落下していくかのように見える飛行機雲が目撃されると、不思議な光景として話題になることがあります。
飛行機雲が空を昇っている、あるいは落下しているように見えるのは、飛行機の進行方向とそれを見上げる観察者の視線との関係によって生じる見かけの現象です。
飛行機は概ね一定の高度を保って飛行しているため、できる飛行機雲も同じくらいの高度にのびています。ただ、同じくらいの高度にある雲であっても、観察者の目に近い位置にあるものは高く見え、遠くにあるものほど低い位置にあるように感じられます。
そのため、観察者の視線とほぼ同じ向きに、飛行機がまっすぐ近づいてくる場合には、飛行機雲は下から上に昇っているように見えるのです。反対に、飛行機が遠ざかっていくときには、雲が下向きに降りていくかのような印象を与えます。
見慣れた飛行機雲であっても、視線や位置関係などの条件が重なれば、興味深い姿を見せることがあります。このような不思議な飛行機雲に出合ったら、航行中の飛行機の航路をリアルタイムで確認できるアプリケーションなどを手がかりに、機体の進行方向と見上げた空の方角を確認してみましょう。
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写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/『最高にすごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)