空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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皆既月食(3)観察
2026年3月3日、いよいよ今夜、天気が良ければ日本全国で皆既月食が見られます。
皆既月食とは、満月が地球の影(本影)に完全に隠れることで、深みのある赤褐色の姿になる天体現象です。今回の月食は、夕方、東の空に月が昇ると、18時49分から月の一部が欠ける部分食が始まります。
18時49分 部分食の始まり
20時04分 皆既食の始まり
20時33分 食の最大
21時03分 皆既食の終わり
22時17分 部分食の終わり
皆既食となるのは、南東の空で、20時04分から。太陽と月の中心が最も近づいた状態になる食の最大を経て、21時03分までの約1時間にわたり観察できます。
神秘的な月食の過程は、肉眼でも十分観察できます。双眼鏡や望遠鏡を準備すると、より鮮明に、美しい赤銅色の月を見ることができる上に、部分食における「ターコイズフリンジ」も見られるでしょう。
また、事前に空のどの位置に月が見えるのかを調べて、観察する場所も決めておくと安心です。今回、部分食の開始から観察するためには、低い空も十分に見渡せる場所である必要があります。月の見え方や、いつどの方角に見えるかを案内してくれるアプリケーションなどを利用すると、大事な瞬間を見逃さずに観察することができます。
天気予報も忘れずに確認しましょう。お住まいの地域や観察場所の天気だけでなく、離れた東側の空や、夜遅くまでの雲の広がり方なども重要です。気象庁の「天気分布予報」や「地域時系列予報」が役立ちます。
月食が終われば、再び光り輝く満月が戻ります。3月の満月は、雪が解けてミミズなどの虫たちが土から出てくる時期に由来し「ワームムーン」と呼ばれます。ぜひ、月食が終わった後の満月鑑賞まで満喫してください。
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写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/国立天文台『皆既月食(2026年3月)』URL:https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2026/03-topics02.html、国立天文台『月食の観察のしかた』URL:https://www.nao.ac.jp/astro/basic/lunar-eclipse-obs.html、『もっとすごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)