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“天使のささやき”を聞く──ダイヤモンドダストはどんな条件が揃うと発生しやすい?

2026.02.17

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空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。 連載一覧はこちら>>

ダイヤモンドダスト

2月17日は「天使のささやきの日」と呼ばれています。詩的で神秘的な響きをもつこの言葉は、ある自然現象に由来しています。

「天使のささやき」とは、北海道の幌加内町(ほろかないちょう)で「ダイヤモンドダスト」を指す言葉です。1978年(昭和53年)2月17日、幌加内町母子里(もしり)で、-41.2℃という極めて低い気温が観測されました。これは、1902年1月に北海道旭川で観測された-41.0℃を下回る、国内最低の気温でした。ところが、母子里の気温は気象庁の観測ではなかったため、公式な記録としては認定されませんでした。

非公式ながら国内1位の記録をもとに、1987年、地元有志によって「天使の囁き実行委員会」が発足し、「天使のささやきを聴く集い」というイベントが開催されるようになりました。これは、寒さ体験や雪遊びを楽しむことを通して、極寒というマイナスイメージを新たな魅力へと転換しようとする取り組みであり、1994年にはこの委員会により「天使のささやきの日」が制定されました。


ダイヤモンドダストは、大気中の水蒸気が凝華し、ゆっくりと降下する「細氷(さいひょう)」という微細な氷の結晶が、太陽光を受けて宝石のように輝く現象です。

気温が-15℃を下回るような晴れた朝には、ダイヤモンドダストが発生する確率が高いといわれています。また、-15~-10℃でも、湿度が高いと発生しやすいとも報告されています。まさに冬の寒さを象徴する現象と言えるでしょう。

ちなみに、気温が-50℃以下の極寒の環境では、人の吐く息が瞬時に氷の結晶となり、耳元でさらさらと音を立てる「星のささやき」が聞こえるのだとか。

写真/フォトライブラリー

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監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。XInstagramYouTube

文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki
気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。XYouTube

●参考文献/幌加内町観光協会『観光スポット 母子里(もしり)クリスタルパーク』URL:https://horokanai-kankou.com/spot/moshiri-crystalpark/、第40回寒地技術シンポジウム『希少な自然現象(ダイヤモンドダスト)の発生条件の一般化に関する検討』長谷川祥樹、野口泉、山口高志、鈴木啓明、大屋祐太、牛島健URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/ctc/40/0/40_049/_pdf/-char/ja、気象庁『天気予報等で用いる用語 降水』URL:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/kousui.html、『もっとすごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)

監修/荒木健太郎 文/佐々木恭子 協力/津田紗矢佳、太田絢子

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