連載「心をほどく、和の調べ」2月「尺八」
選=日本和楽器普及協会
文=本間豊堂(尺八演奏家)尺八は「真竹」という竹の根元部分から作られます。五つの指孔の操作や息の微妙な角度の変化によって音程を生み出し、そこに吹き方一つで、明るく澄んだ音から、荒々しい音まで、幅広い音味(ねあじ)を加えます。時に揺らいだり、時にかすれたりと、キャリアの長い奏者でも完璧な一音を出すのは難しい非常に不安定な楽器ですが、その音色に美を見出したのが和の感性といえるでしょう。音色には奏者の心の動きも大きく影響することから、古くは禅の修行具として用いられ、「一音成仏」(一音で悟りの境地へと達する)という言葉もあるほどです。
こちらから演奏をお聞きいただけます。 https://m.youtube.com/watch?v=I6m7tXG0F0o琴古流古典本曲の中で最も有名な「鹿の遠音(とおね)」。晩秋の山奥で鳴き交わす雄鹿の声を表現している。
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