空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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窓霜(まどしも)
北日本などでとても低温な状況が続いているとき、窓ガラスにふしぎな氷の結晶ができることがあります。これは「窓霜(まどしも)」と呼ばれています。
気温がー5℃以下になると、空気中に含まれる水蒸気が、窓ガラスに付着した微細なちりなどを芯として直接凍りつきます。この現象を凝華(ぎょうか)といい、これにより窓霜は生まれます。
ー5℃以下まで気温が下がらなくても、風の弱い晴れた日の朝は、放射冷却が強まるため、地表面の温度が下がり、車のボディーやフロントガラスもよく冷えます。これにより、フロントガラスの外側に窓霜が発生することもあります。
写真の窓霜には、針状やシダ状の形が見られます。ほかにも樹枝状や杯状など、気温や水蒸気の量、ガラス表面の付着物の影響で形が変わります。さらに、窓ガラスに沿って成長していく過程で、霜同士が連なったり、絡み合ったりしながら、美しい模様を描くこともあります。
また、季節を問わず窓霜が発生する場所があります。それは飛行機です。飛行機の窓は多重構造になっており、窓の間の空気が上空で冷やされることで生まれます。注目してみてください。
写真/川村にゃ子
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/『雲を愛する技術』荒木健太郎著(光文社)、『もっとすごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、中谷宇吉郎 雪の科学館「おしえて館長!『雪と氷のQ&A』~雪と氷に関する素朴な疑問から最新の科学まで~」URL:https://yukinokagakukan.kagashi-ss.com/