空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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2月の満月「スノームーン」と月の地名
夜空に浮かぶ満月をじっくり眺めてみると、表面のところどころに黒っぽく見える部分や、明るく白い部分があることに気づきます。実は月の表面には、地形の違いに応じてさまざまな地名が存在しています。
黒く見える部分は海と呼ばれます。海といっても水があるわけではなく、隕石の衝突によって流れ出た溶岩が冷え、黒い玄武岩の広がる場所を指しています。「静かの海」や「雨の海」などの名があり、「月のウサギ」として親しまれている月面の模様もこれらの海によって形づくられています。
一方、明るく白っぽい部分は高地と呼ばれ、斜長岩という岩石でできています。高地には隕石などの衝突でできたクレーターが特に多くあり、それぞれに「ティコ」「コペルニクス」など天文学者の名前や、そのほか宇宙飛行士の名前に由来する地名が付けられています。
ほかにも、地表面が細長く盛り上がっている所には「アルキメデス山脈」「アペニン山脈」、海と高地の境目で湾のようになっている所には「虹の入り江」など、月には地球と同じように地名が付けられているのです。
2026年2月2日は満月。2月の満月は、北米の先住民族の伝承にちなみ「スノームーン」と呼ばれます。厳しい冬のさなかで雪の多い時期であることが、この名前の由来です。満月を眺めて、月の海や山を巡るひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
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写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/国立科学博物館『宇宙の質問箱』URL:https://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/moon/moon02.html、『もっとすごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)