カルチャー&ホビー

稀少名字「傘」は何と読む?「かさ」ではありません

2026.02.04

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墨アート製作/越智まみ

名字の世界 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:傘(からかさ)

熊本県にある激レアの名字です。

「傘」という漢字の読みは本来「かさ」ですが、名字では「傘」一字で「からかさ」とも読みます。

さて、現在では雨をしのぐための道具を広く「かさ」と呼んでいますが、「かさ」には大きく2つの種類がありました。


1つは古くから日本にあるもので、直接頭にのせてかぶるタイプのものです。『万葉集』にも登場するなど古くから使用されていた菅笠や、平安時代の女性がかぶっていた市女笠(いちめがさ)、戦のときなどにかぶる陣笠、飛脚や旅人などがかぶった三度笠といった「かさ」はすべてこうした頭に直接かぶるタイプで、これらの「かさ」には「笠」という漢字を当てました。

もう1つは、ついている柄を手に持つものです。中国やヨーロッパでは古くからこの形の「かさ」が使用されていました。

日本には中国から伝来したとみられ、これには「傘」という漢字を当てました。江戸時代に広がった番傘や蛇の目傘をはじめ、こうもり傘や折り畳み傘など現在使用している「かさ」も「傘」という漢字を使用します。

つまり、ひとくちに「かさ」といっても、その形状で漢字が違っているのです。そして、「傘」は中国からわたってきたことから、「中国=唐(から)」の「かさ」という意味で「からかさ」とも言ったのです。

一つ目の付いた傘が一本足で飛び跳ねる姿で知られる「かさ」の妖怪も、「傘」の形をしているため、漢字では唐傘小僧と書きます。

なお「笠」という名字は多く、古代豪族にも笠一族がいるなど、歴史の古い名字です。現在は九州に多く、「かさ」と「りゅう」に読み方が分かれます。

・ほかの名字の由来も読む>>


森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/
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