空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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観天望気(かんてんぼうき)
天気予報のない時代から、人々は自然現象や生き物の行動を見て、天気の変化を予想しようとしていました。これを「観天望気(かんてんぼうき)」といいます。
天気は、古くから人々の暮らしと深く関わっています。特に、農作物の生育や収穫などに大きな影響を与えてきました。そのため、人々は空や雲の様子を注意深く観察して、天気を予想してきたのです。なんと紀元前7世紀頃のバビロニア文明の時代には、すでに観天望気が存在していたといわれ、現代まで伝わるものもあります。
よく知られる「猫が顔を洗うと雨」など動物の行動にまつわる観天望気の多くは、残念ながら信頼できる根拠はほとんどありません。一方で、雲や空の様子を読み取る観天望気には、信頼度の高いものも多くあります。たとえば「山が笠をかぶると雨」は、写真のような山頂に現れる「笠雲」を指します。日本海に低気圧があるときによく見られるため、雨の前触れといわれます。
天気予報が発達した現代でも、空を見上げて天気の予想ができたなら、まるで空と対話しているような、そんな豊かなひとときになるでしょう。
写真/池宮城サキ
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/『すごすぎる天気の図鑑』 荒木健太郎著(KADOKAWA)、『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』 荒木健太郎・太田絢子・佐々木恭子著、『もっとすごすぎる天気の図鑑』 荒木健太郎著(KADOKAWA)