空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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JAPOW(Japanese powder snow:ジャパウ)
1月12日は「スキーの日」です。1911年のこの日、オーストリア・ハンガリー帝国(当時)の軍人レルヒ少佐が、日本に初めてスキーの技術を伝えたことに由来します。
今では、世界中から多くのスキーヤーが日本を訪れるようになりました。人気の理由の一つが、日本のパウダースノーです。
パウダースノーとは、一般的に雪の密度が小さく、液体の水を多く含まないサラサラとした雪のことを指します。日本のパウダースノーは、その質の高さから「JAPOW(Japanese powder snow:ジャパウ)」と称され、海外でも高く評価されています。
日本は、大陸から吹き出す寒気と温かい日本海の影響で、日本海側を中心に世界屈指の豪雪地帯となっています。特に、北海道は気温が低く、雪の降る回数も多いため、パウダースノーを楽しみやすいのです。
ただし、「JAPOW」の質の良さには明確な定義がありません。そこで、スキーヤーやスノーボーダーへのアンケート調査から、好まれる雪質の条件を算出したり、X線CT装置を使ってパウダースノーの結晶の構造を可視化したりする取り組みも進められています。
日本のパウダースノーの魅力は、科学的にも裏付けられつつあるのです。
写真/PIXTA
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)、『「雪資源ポテンシャル」という新しい提案』防災科研ニュース2023、『Measurement of specific surface area of fresh solid precipitation particles in heavy snowfall regions of Japan』、JNTO日本政府観光局『The Irresistible Allure of “Japow”』、POWDER SNOW HOKKAIDO『Why “JAPOW”』