空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。
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十種雲形(じっしゅうんけい)
当たり前のように空に浮かぶ雲は、見るたびに違った姿で私たちの目の前に現れます。そんな雲も、実は大きく10種に分類することができます。これを「十種雲形(じっしゅうんけい)」といいます。
十種雲形は、現れる空の高さと形により雲を分類したものです。おおよその空の高さによって、低い空の「下層雲(かそううん)」、中くらいの高さの「中層雲(ちゅうそううん)」、高い空の「上層雲(じょうそううん)」の三つに分けられます。
下層雲には「層雲(そううん)」「層積雲(そうせきうん)」「積雲(せきうん)」「積乱雲(せきらんうん)」、中層雲には「乱層雲(らんそううん)」「高積雲(こうせきうん)」「高層雲(こうそううん)」、上層雲には「巻雲(けんうん)」「巻積雲(けんせきうん)」「巻層雲(けんそううん)」があり、それぞれ合わせて10種類です。
これらの雲には馴染みのある呼び名もあります。たとえば、「高積雲」は「ひつじ雲」とも呼ばれ、ひつじの群れのように空に広がることがあります。「巻積雲」は「うろこ雲」と呼ばれ、秋の空を代表する雲として知られています。
また、もくもくとした形で上空へ向かって成長する雲には「積」、水平方向に空に広がっていく雲には「層」という字が使われており、形の違いが名前にも表れています。
10種類の雲の名前を知っているだけで、空の表情は少し違って見えるかもしれません。早速窓を開けて、今日の空にはどんな雲が浮かんでいるか確かめてみてください。
積乱雲。写真/荒木健太郎
監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。
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YouTube文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。
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YouTube●参考文献/『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)