カルチャー&ホビー

太陽はいつでも丸い? 四角形の太陽を見せる「上位蜃気楼」とは

2026.01.04

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空を見上げて365 私たちの身近にある空には未知の魅力や不思議が詰まっています。誰かに話してみたくなるような空の世界を、雲研究者の荒木健太郎さんが案内します。一緒に今日の空を見上げてみませんか。 連載一覧はこちら>>

上位蜃気楼(じょういしんきろう)

2026年は、初日の出を見ることができましたか。水平線から太陽が姿を現す瞬間には、気持ちが引き締まり、新しい一年への力が湧いてきます。その太陽の形は、「いつも丸い」とは限りません。朝や明け方の意味を持つ元旦の「旦」の字は、太陽が地平線から昇る様子を象った象形文字から生まれたと言われます。そんな漢字の形通り、四角い太陽が昇ってくることがあります。

その正体は、蜃気楼のひとつである「上位蜃気楼(じょういしんきろう)」の仲間です。私たちは通常、物体と目を結ぶ直線上をまっすぐ進んできた光を見ることで、物体を正しい位置に見ています。ところが、空気の層に大きな温度差があると、光は直進せず、気温の低い方に曲がりながら進みます。

上位蜃気楼が起こるのは、地表付近の冷たい空気層の上に暖かい空気が重なるときです。この状態では、遠くの水平線に現れた太陽の縁の光のうち、上方に向かう光が下向きに大きく曲げられて私たちの目に届きます。この時、人は目に届く直前の光の方向に物体があるように見えてしまうため、実際よりも高い位置に虚像の太陽の縁を見ることになります。こうして、水平線から引き伸ばされたような太陽が見えるのです。


四角い太陽に出合いやすいのは、冬の太平洋側の地域で、よく晴れて、地面付近の冷え込みが強まった朝です。早起きして、水平線の見渡せる場所や東の空が開けた平地まで出かけてみませんか。

写真/荒木健太郎

写真/荒木健太郎


監修/荒木 健太郎 Kentaro Araki
雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士。専門は雲科学・気象学。防災・減災のために、災害をもたらす雲の仕組みを研究している。映画『天気の子』気象監修。『情熱大陸』『ドラえもん』『マツコの知らない世界』など出演多数。著書に『すごすぎる天気の図鑑』シリーズなど。XInstagramYouTube

文/佐々木 恭子 Kyoko Sasaki
気象予報士・防災士。合同会社てんコロ.代表。民間気象会社で予報業務を担当、気象予報士受験生向けのスクール主宰。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 天気の話』(日本文芸社)など。XYouTube

●参考文献/『雲を愛する技術』荒木健太郎著(光文社)、『すごすぎる天気の図鑑』荒木健太郎著(KADOKAWA)

監修/荒木健太郎 文/佐々木恭子 協力/津田紗矢佳、太田絢子

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