カルチャー&ホビー

華やかな装いで道行く人を出迎える、銀座の傑作ショーウィンドウ

2025.11.19

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“もてなしの美” 銀座の傑作ショーウィンドウ

銀座の“顔”とも呼べるショーウィンドウ。今日も、華やかな装いで道行く人を出迎えています。銀座でショーウィンドウを持つ代表的な施設に、これまでの数々の作品の中から、“傑作”を自薦していただきました。

銀座の“顔”ショーウィンドウ。これまでの傑作をフォトギャラリーで見る→
SEIKO HOUSE(銀座・和光本店)「惑」(2024) SEIKO HOUSE(銀座・和光本店)
「惑」(2024年)

時計の針を早めたり遅くしたりと、時の悪戯を仕掛ける2体のモンスター。黄色いボタンを押すと時計塔の針が正常に戻る仕掛けに、子どもたちは大はしゃぎ。約2か月の期間中に3万3000回超もボタンが押されたという。

東京都中央区銀座4-5-11 TEL:03(3562)2111 (営)11時~19時 無休(年末年始を除く)https://www.wako.co.jp/

「ショーウィンドウは“街頭の芸術”」

銀座の“ショーウィンドウ文化”を牽引してきた和光。アートディレクターとして数々の作品制作を統括してきた武蔵 淳さんに、街とショーウィンドウとのかかわり等について伺いました。

銀座とショーウィンドウの歴史は明治時代にまで遡ります。現在からは想像もつかないでしょうが、江戸時代から明治初期にかけての銀座は、隣の日本橋などと比較すると活況とはいい難い状況でした。変革の契機は、1872年に発生した銀座大火とその復興事業。洋風建築が建ち並ぶ「銀座煉瓦街」が誕生し、街が賑わいだすのと同時に、洋服裁縫や西洋家具など、当時誰もが“見たことがない”品物を取り扱う商店を中心に、建物前面にショーウィンドウを設置する動きが現れたのです。



市内電車の発達も手伝い、大正時代には「銀ブラ」という言葉も生まれ、ビルや商店にショーウィンドウを設けることが一般化していきました。

「和光」の前身である服部時計店は、1932年、現在の2代目時計塔を完成させ、戦後の接収解除後、本格的にウィンドウディスプレイに取り組み始めました。

「当時の支配人曰く、ショーウィンドウは“街頭の芸術”である、と。販促の目的もありつつ、道行く人への“おもてなし”の形として、さまざまに趣向を凝らしてきました」と武蔵さん。制作において意識するのが、多くの人の“記憶に残る”こと。

「ボタンを押すと展示物が動いたり、音楽が鳴ったりと、体験型の仕掛けを積極的に導入。ショーウィンドウとの出合いを通じて、銀座での街歩きの想い出がより特別なものになれば」。“時宜(じぎ)を捉える”ことも重要だと武蔵さんはいいます。

「東日本大震災から10年後の2021年に数日間、震災発生時の14時46分に針を固定した時計の展示を行いました。3月11日には、時打ちの鐘に合わせて、ショーウィンドウ周辺に多くの人が黙禱に集まり、その一体感は鮮烈に覚えています」。

楽しい仕掛けや時を捉えること、クリエイターの知恵、努力……。そうした要素を組み合わせれば、ショーウィンドウは「常に最先端の媒体になる」と武蔵さんは力強く語ります。

「アイディアや手間、費用も掛かるので導入するには相応の思い入れが必要です。ただ、銀座界隈は多くの名店がショーウィンドウを設けており、それが街の大きな魅力になっています。今後も、他の施設と切磋琢磨しながら制作に邁進し、銀座の街の魅力向上に貢献していきたい」

銀座の“顔”ショーウィンドウ。これまでの傑作をフォトギャラリーで見る→

参考文献/日本ディスプレイデザイン協会企画編集委員会『銀座のショーウインドウ 130年のデザイン文化史』六耀社 2004年

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