カルチャー&ホビー

群れて泳ぐ姿はまるで“銀色のスイミー”。長崎「九十九島水族館海きらら」で感動の体験を

2025.09.12

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〔特集〕最新展示で命の躍動と不思議に出合う 大人が楽しい水族館・動物園 豊かな自然環境のもと、瑞々しい生命の息吹に触れられる水族館・動物園は、人生経験を重ねた大人が改めて学びや癒やしを得られるスポットとして今、注目を集めています。生き物が暮らす環境の再現や、アートのような演出など、非日常感を味わえる展示方法に魅力ある施設を中心に、全国から厳選してご案内します。前回の記事はこちら>>

特集「大人が楽しい水族館・動物園」の記事一覧はこちら>>>

“水中美術館” で マインドフルネス

はるか遠い昔、この地球に初めて宿った命の鼓動が聞こえてくるかのような水中の世界。近年は海や川の生き物たちの営みをアートに見立てた展示の水族館が増えています。自然環境を見事に再現した、美術館のような水族館を訪れて、非日常のひとときを過ごしながら、涼やかに心をリフレッシュしてみてはいかがでしょう。

銀色に輝く “スイミー” に会いに行く
九十九島水族館海きらら(長崎県)

リアス海岸と大小さまざまな208の島々からなる九十九島は、そのほぼ全域が「西海国立公園」に指定されています。手つかずの自然が残り、太古より海で暮らす生き物が今でも見られる貴重な場所です。


その海岸沿いに位置する「九十九島水族館海きらら」では、九十九島や五島列島の近海に生息する約370種を飼育しています。

同館を象徴する「九十九島湾大水槽」は珍しい屋外型水槽で、砂も敷いてあり、岩礁や入り江、沖合などの多様な自然環境を見事に再現。太陽光を受けた魚たちの美しい体色を見ることができます。

自然光が降り注ぎ、海の原風景ともいえる景色が広がっている「九十九島水族館海きらら」の「九十九島湾大水槽」。マイワシたちが群れをなして泳ぐ様子に、レオ・レオニ作の名作『スイミー』を思い出す。刻一刻と形を変える銀塊に、片時も目が離せない。

輝く水槽の中でも存在感を放つのが無数のマイワシの群泳。職員の鶴田耕一郎さんによれば、「2000~7000匹のマイワシがいます。屋根がないので野生の海鳥たちが食べてしまい、時期によって数の差があるんです」。実際の海の底を覗き見しているように、景色の変化が楽しめます。

敵から身を守るため群れで泳ぐマイワシ。

2010年にはホシヤスジクラゲを九十九島海域で日本で初めて発見し、世界初の繁殖にも成功。また周辺の海域で暮らすマッコウクジラやスナメリなどの鯨類調査を行うなど、九十九島から世界の海洋研究にも貢献する、日本が誇る水族館の一つです。

イルカのプログラムでは、ハンドウイルカのナミとニーハが、キャッチボールをするなど、イルカの知能や運動能力を知ることができる。野生のハンドウイルカは西海国立公園内で見られる。

右側はハンドウイルカのプール、左側は九十九島湾大水槽。その奥には海が広がる。

ショップで販売している「おさかなキーホルダー」(大990円、小660円)。九十九島に漂着した海洋プラスチックをスタッフが収集し、アップサイクル。撮影/本誌・伏見早織

九十九島水族館海きらら
住所:長崎県佐世保市鹿子前町1008
TEL:0956(28)4187
開館時間:9時~18時 11月~2月は17時まで(いずれも30分前最終入館)
休館日:無休
入館料:大人1470円 年間パスポート3150円

(次回に続く。この特集の記事一覧はこちらから>>

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年09月号

家庭画報 2025年09月号

撮影/銀鏡つかさ 協力/原澤恵太

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