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歴史好きなら知っておきたい。怪鳥退治から生まれた名字「真弓」

2025.10.23

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墨アート製作/越智まみ

名字の世界 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら>>

難読名字:真弓(まゆみ)

「真弓」という名字があります。女性の名前のように見えますが名字で、往年の阪神タイガースファンにはおなじみの名字です。真弓明信氏は阪神の1番打者として活躍し、首位打者も獲得しました。のちに阪神の監督もつとめています。

意外と数は多く、名字ランキングでは3,000位を少し下回るあたりと、普通の名字の範疇です。旧字体を使用して「眞弓」とも書きます。

さてこの名字、三重県から愛知県にかけてと、九州北部の2か所に集中しています。特に三重県北部に多く、津市から四日市市にかけて集中しています。


三重県にはかつて伊勢国飯高郡真弓御厨(現在の松阪市)という地名がありました。南北朝時代にはすでにみられる古い地名で、ここが東海地方の「真弓」のルーツです。

一方、福岡県には南北朝時代に活躍した真弓氏がいました。

南北朝時代の建武元年(1334年)、疫病が猛威を振るっておびただしい死者が出たとき、朝廷の紫宸殿(ししんでん)の屋根の上に怪鳥が現れて「いつまで、いつまで」と鳴いて飛び回り人々を恐怖させました。『太平記』によると、怪鳥は「頭は人の如く、身は蛇の如き形」とあり、嘴(くちばし)には鋸のような歯がはえ、両足には長い蹴爪があったと書かれています。

恐れおののいた公卿たちは、平安時代の源頼政の鵺(ぬえ)退治の故事にあやかって、弓の名手に退治させようと隠岐広有という武士に要請します。広有は鏑矢を使って見事怪鳥を仕留め、後醍醐天皇から「真弓」の名字を賜ったと伝えています。

その後、真弓広有は懐良親王に従って筑後国(現在の福岡県南部)に下向しました。現在も「真弓」は福岡県大牟田市付近に集中しており、真弓明信氏も大牟田市の出身です。

「真弓」という地名はこの他にも各地に点々とあり、こうした地名に因む「真弓」もあります。
森岡浩/Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

墨アート製作 書家・越智まみ(https://esprit-de-mami.com/

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