
その信仰は地域によって違いがありますが、ご神体は石であることが多く、村の境目や峠、辻などに置かれています。こうした自然石や、石に文字や像を刻んだものを置く風習は全国各地に広く見られました。
現在は「どうそじん」と音読みするのですが、本来は「さえのかみ」「さいのかみ」といったのです。
さて、1月14日か15日に門松や注連(しめ)飾り、書き初めで書いた物などを持ち寄って焼く「どんど焼き」(左義長とも)という行事があります。これは平安時代に行われた宮中行事が起源とされています。
しかし、地方では道祖神の祭りとして行われることが多く、「さいとやき」と呼んで「道祖土焼」という漢字をあてることがあったのです。ここから、「道祖土」の部分を「さいと」「さいど」と読むようになり、「道祖土(さいど)」という地名や難読名字が生まれたようです。
従って、「道祖土焼」が広く行われていた時代には、「道祖土」はあまり難読ではなかったのかもしれません。
さいたま市緑区には「道祖土(さいど)」という地名が残っています。名字としては、現在は埼玉県比企郡川島町周辺に多くなっています。
なお、地名ではは栃木県真岡市道祖土のように、「さやど」に変化したところもあります。こうした道祖神に因む名字は他にもあります。
青森県にある「妻神」「才神」と書いて「さいかみ」「さいがみ」と読む名字も、「道祖神(さいのかみ)」に由来しています。
写真提供/森岡 浩