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二階堂ふみさんがすみだ北斎美術館で浮世絵版画の世界を堪能。自ら摺りにも挑戦

2025.08.26

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一摺りごとに浮かび上がる日本の美と職人の心

すみだ北斎美術館で北斎の浮世絵を鑑賞するのに先立ち、二階堂さんは伝統木版画の復刻に携わる浮世絵彫師・朝香元晴さんの工房を訪問。江戸の職人技が息づく多色摺りやぼかし摺りを自らの手で体験しました。


小刀を使って山桜の版木に緻密な線を刻む彫師・朝香元晴さん。女性の髪の生え際を細かく彫る「毛割(けわり)」は、人物描写の中で最も難易度の高い技術の一つ。絵師の下絵をもとにして、色を一色ずつ分解しながら、わずかなずれも許さず版木を彫る職人技を、熱心に見つめる二階堂さん。

まずは朝香さんの指導のもと、摺りの準備から。使うのは人間国宝が漉いた和紙と、刷毛やバレンなどの伝統の道具。それらの持ち方や使い方を教わった後、版木に和紙を重ねる工程へ。



実際に摺りの工程を体験。湿らせた版木に刷毛で絵具を塗り広げ、版がずれないよう慎重に和紙を置く。この日摺ったのは、北斎の《冨嶽三十六景 凱風快晴》と《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》を合わせた朝香さんの創作版。

人指し指と中指で和紙を軽くはさんで持ち、版木の見当(目印)にそっと重ねます。「ここは慎重に。息を止めて」と朝香さん。その後は、繊細な表現を生み出すべく、上半身に重心をかけ、手首を軸に一定の力でバレンを動かしていきます。「これは力仕事ですね。多くの摺師が手首を痛めた理由がわかる気がします」。

版木に絵の具を広げて和紙に摺り込み、色を重ねて作品を仕上げる摺り工程。ぼかしや輪郭線、均一な色面のベタなど、技ごとの力加減が仕上がりを左右する。熟練の技と集中を要する工程である。

色の濃淡を見極めながら刷毛で色を引き、バレンを動かす工程に、真剣な面持ちで取り組みます。藍の絵の具で空に碧の陰影を施した後は、紅殻(べんがら)で富士山の美しい山容を表現。「赤富士っぽくなってきました!」と、絵が立ち上がってくる手応えに思わず声が弾みました。

色版を重ねるごとに富士山が浮かび上がり、空に奥行きが生まれていった。

最終工程では、富士山の頂に墨で雪渓を強調する、繊細なぼかし摺りに挑戦。「刷毛をこする音がするくらいの力加減で」との助言に耳を傾けながら、集中して和紙に向かいます。「最初からこんなにきれいに摺れる方は珍しいですよ」との朝香さんの言葉に、「飾ります、家に」と笑みを浮かべる二階堂さん。

芸術が生まれる過程に触れ、その奥深さを実感するひとときとなりました。


すみだ北斎美術館
東京都墨田区亀沢2-7-2
TEL:03(6658)8936
営業時間:9時30分~17時30分
休館日:月曜休館(祝日の場合は翌日)
観覧料:一般1000円
※『あ!っと北斎~みて、みつけて、みえてくる浮世絵~』展は2025年8月31日まで


二階堂ふみ(にかいどう・ふみ)
俳優。1994年、沖縄県出身。2009年、映画『ガマの油』でスクリーンデビュー。2024年『SHOGUN 将軍』では落葉の方を演じる。2025年9月5日に公開予定の日・英・ポーランド合作映画『遠い山なみの光』では、物語の重要な鍵を握る役を演じる。

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年09月号

家庭画報 2025年09月号

撮影/森山雅智 ヘア/長田博文〈Maage〉 メイク/友森理恵〈Rooster〉 スタイリング/石田節子 着付け/桂田敬子 取材・文/冨部志保子

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