「長島」も「長嶋」も由来は同じ。「島」は海や川だけでなく陸地にもある地形です

名字365　姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも？知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら＞＞

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長島・長嶋（ながしま）

「長島」という名字は地形や地名に由来する名字です。

最も有名な「長島」は愛知県と三重県の県境にある伊勢長島でしょう。ここは木曽川と長良川に挟まれた南北10km以上に及ぶ細長い島で、島の名前はこの島の形に因んでいます（異説もあります）。

鹿児島県北西部にも長島があります。周囲66km、人口は1万人ほどという大きな島で、近くの島と合わせて長島町という独立した自治体になっています。ここには戦国時代まで代々島を支配していた長島氏がいたことが知られています。


また、「島」は海や川にある島だけではありません。平野の中で小高い場所も「島」といい、内陸部にも「長島」という地名があります。

そのため、各地に長島という地名があり、そこから多くの「長島」という名字が生まれました。

なお、「長島」は「長嶋」や「長嶌」とも書かれますが、由来は同じです。

因みに、今年亡くなった長嶋茂雄元巨人軍監督は、現役中は「長島」でしたが、監督就任した頃から次第に「長嶋」を使用するようになりました。

現在は関東から東海地方にかけて多く、とくに内陸の埼玉県に最も多くなっています。

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森岡浩／Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

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