名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。
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珍しい名字:目細(めぼそ)
北陸に点々とある名字で、「めぼそ」と読みます。
石川県金沢市には旧家の目細家があり、代々針屋八郎兵衛と名乗っていました。
その創業は天正3年(1575)といい、今年で450年となります。商家の場合、老舗と言ってもそのほとんどは江戸時代の創業で、それ以前から経営し続けている家はあまりありません。
初代八郎兵衛は、当時丸かった針の糸を通す穴(目穴)を、糸を通しやすいように楕円形にした針を作ったところ評判となり、加賀藩主から「めぼそ」という名を賜ったことが始まりといいます。以来「目細」の針と「目細」という名字を伝えてきました。
江戸時代になると、返しがない針に水鳥の羽毛や金箔で緻密な技巧や工夫を施した加賀毛針を開発、加賀藩士の間で鮎釣りなどに重宝されました。
そして、明治になると17代八郎兵衛が第3回内国勧業博覧会に出品して加賀毛針として一躍有名になりました。
現在も金沢市安江町で「加賀毛針 目細八郎兵衛商店」を営んでいます。
森岡浩/Hiroshi Morioka姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
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