茨城の名家、佐竹氏にルーツがある名字「佐竹」。現在は他の地域に多い名字です

名字365　姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも？知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。連載一覧はこちら＞＞

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佐竹（さたけ）

「佐竹」は戦国時代までは常陸国（現在の茨城県）、江戸時代には出羽国秋田（現在の秋田県）の名家として知られています。

ルーツは常陸国久慈郡佐竹郷（現在の茨城県常陸太田市）で、清和源氏の名門です。

平安時代後期に源義光が常陸介となって下向し、その子、義業が佐竹郷を領して、子孫は佐竹氏と名乗りました。


鎌倉時代には幕府の御家人となり、南北朝時代以降は常陸守護を世襲しています。その勢力範囲は時代によって大小あるものの、鎌倉時代から安土桃山時代まで一貫して常陸国を支配し続けた名家です。

戦国時代には一時奥州南部まで勢力を広げ、豊臣政権下では54万石という大身でした。関ヶ原合戦で西軍に呼応したことから出羽久保田（秋田市）に減転となったものの、それでも20万5000石を領していました。

この佐竹氏には土佐に分家があります。鎌倉時代に土佐に下向したと伝え、代々久礼城（高知県高岡郡中土佐町）に拠っていました。

現在は高知県と山形県に多くなっています。

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森岡浩／Hiroshi Morioka
姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。

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