名字365 姓氏研究家の森岡 浩さんが日本人の名字を毎日紹介します。あなたの意外なルーツが分かるかも?知れば知るほど面白い、名字の世界をお届けします。
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犬伏(いぬぶし)
徳島県から関西にかけて「犬伏」という名字が広がっています。「いぬぶし」と読み、ルーツは阿波国板野郡犬伏村(現在の徳島県板野郡板野町犬伏)という地名で、現在でも徳島県の板野郡と徳島市に集中しています。
戦国時代、犬伏村には犬伏城があり、橘氏の末裔と伝える犬伏氏が城主でした。そして阿波の戦国大名三好氏に属していました。
天正10年(1582)、四国平定を目指して土佐から長宗我部元親が阿波に侵攻、三好氏と戦いました。このときに行われた中富川合戦で犬伏左近が討死し、以後子孫は帰農したといいます。
さて、江戸時代になると犬伏村から少し離れた阿波国板野郡東中富村(現在の徳島県板野郡藍住町東中富)に藍の取引で財を成した犬伏家が登場します。
戦国時代の犬伏氏の末裔とみられ、江戸時代初期頃から庄屋をつとめる一方で製薬を行っていたらしく、同家の住宅は国指定の重要文化財です。
森岡浩/Hiroshi Morioka姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部在学中から独学で名字の研究をはじめる。長い歴史をもち、不明なことも多い名字の世界を、歴史学や地名学、民俗学などさまざまな分野からの多角的なアプローチで追求し、文献だけにとらわれない研究を続けている。著書は「全国名字大辞典」など多数。
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